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<み>みたま

 霊魂(たましい)のこと。辞書(大辞林)をひくと、「肉体に宿ってそれを支配し、精神現象の根源となり、肉体が滅びても独立に存在することのできるもの。たましい。霊。」とある。日本では、古来、死者の霊・祖霊を神として祀る習慣がある。そのために、肉体を失った後の霊魂を意識して「みたま」というのが一般的な受け止め方であろう。

金光教祖金光大神は、人間がこの世に生まれ出てくる時に、天地の分霊(わけみたま)を吹き込まれると説き、生きている間にこそ各自その「みたま」を意識し、天地の祈りに通う神心を磨きだし、生き神になることが肝要とした。「生きている間に神になりおかずして、死んで神になれるか」という発言に見られるごとく、世間一般のみたま観に鋭く対峙している。

科学的に捉えうる物質の世界だけを追い求めて、そこに意味を見つけ出そうとしても、それは木によって魚を求めるの類で、むなしさを避けられない。霊魂は、天地のいのちと同質であって、科学的に捉えることはできないけれども、交流する体験を通してその存在を体認することはさほど難しいことではない。とりわけ子を持つ親の場合、子が助かるために親自身の一切を投げ打って尽くし抜こうとする動きを起こすものであるが、これは、止むに止まれぬ神心の発動そのものということができる。人の助かることを願い通す天地のいのちが、わが身の内にも外にも満ち満ちて、「たましいの世界」を形成していてくださり、そのおかげで私たちは、生死を貫いて一切の営みに意味を見出すことが可能となっているのである。
 →み霊(新版) →生死 →幽界(かくりよ) →あの世

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