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<い>生きる用意
 神願に生きることを理想として、死後もなお人を助けることができるように、信心に磨きをかけること。金光教祖金光大神は、「死ぬる用意をすな。生きる用意をせよ。死んだら土になるのみ。」(教典・理解T島村八太郎の伝え45)と説いています。
 世間では、「人生は欲と二人連れ」といいます。たとえもっと生きたいという欲がありましても、我欲ばかりでは生きることが叶わず、早晩死してあとは土になるだけ。このように運命付けられている身である以上、自分の持ち物だとしてきたあれもこれも、すべてを天地にお返しする時が来ることを避けられず、覚悟を迫られて死に支度に向かうことも極自然に行われてきたところです。
 「生きたくば、神徳を積みて長生きをせよ。」(信心の心得)とのみ教えに示された<長生き>は、欲を神徳で置き換える修行の果てに実現してくるものであって、それこそ生死を超えた永世生き通しの取次の神・生神金光大神に体現されたところであり、神も助かり人も立ち行く<神願成就>一筋に働き貫くおかげを受けよという願いが込められているに相違ありません。「生きる用意をせよ」とのお諭は、欲を放して神徳を積み、永世生き通して人を助けるおかげを受けたいという大願に生きよとの御促しと頂きます。
 

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