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<つ>罪・とが
 つみ・けがれ、あるいは無礼ともいう。
 俗世間では異常な少数者に対して罪障を負った罰当たりなものと見なしこれを差別してきましたが、すべて人間は意識するとしないとにかかわらず天地の親神の願いから外れて無礼=自己中心にして恩を軽んじる生き方に傾くところがあって、親神としてはそのような人間に対し、その無礼さに気付くようにサインを送り続けておられるのです。いわば親の側から子との関係回復を願って働きかけて下さっているのであって、罰して償わせるというよりも修行して成長せよというのが本来の趣旨であります。
 人生の途上で出会うもろもろの出来事は、人間の都合からみれば幸不幸の色分けができてしまうところながら、本来新しい舞台で新しい役目を宛がわれ、そこでよりよく恩に応えられるように脱皮し成長するよう親神様から促されているに過ぎません。「難はみかげ」と教えられる意味は、罰を受けて不幸に落としめられるのではなく、自分に磨きをかけ、親=生み出した者と子=生み出された者との応答関係を深めて生まれ変わるための契機としなさいということであります。
 重荷を嫌って逃げれば力を失うのは道理であり、重荷を引き受けて担げるだけの力を身に付けていければ、それだけ人を助ける働きつまり神の願いに近づくことになります。「お前の生き方に問題があるぞ」と知らせて下さる親神様のご親切=お裁きに「ありがとうございます」と言えるようになるまで、親様に大変なご辛抱をおかけすることを思います。

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