(58)
<ほ>輔教
 金光教団のメンバーたる自覚のもとに、金光教の信心を伝えるため、進んで教会活動を担い、教団活動に参画する役に当たる者。所定の講習会を修了した信徒が、在籍教会の教会長の推薦を受けて出願し、教主によって任命される。任期は4年。
 教祖百年祭を目前にした1980(昭和55)年頃から、教祖時代の布教精神を今に復活させる方途を求めてきた結果として、この輔教制度が誕生した。
 そもそも教祖時代といえば、教団が誕生する以前のことであり、布教を担う者といって特別な役柄があったわけでなく、信心によって取次ぎ助けられた者が助ける役を引き受けていたに過ぎなかった。教祖没後、布教を公認される必要上、教団を組織し教師という資格を設けることになって、取次ぎは教師のみがなしうる神業とみなされ、特に戦後の核家族化、個人主義の社会になってからは、信徒の布教意欲が著しく減殺された。教師を志願する者の過半が教師の子弟によって占められ、信徒から教師になる者が極めて少数に限られている昨今の実態を指摘すれば、その危機的状況を示すに十分であろう。
 本教の信心による助かりは、助ける行為と表裏一体といってよく、つまり神願に導かれて自他の関係を広く深く結び直すことを通して、自身の向上(神の氏子としての自己変革)を願う方向に見出しうる。輔教に任じられることの意味は、自身をその方向に向かわせ、助かりへの歩みを確かにする上で、勉強の機会を与え、実践を促すところにあるといえよう。
 1998(平成10)年の達示、「輔教による集会所開設について」(10総長第8号)にて、輔教による布教活動の拠点としての集会所を設置する場合の要項が示されている。布教所が教師による教会設立準備のためのものであり、取次ぎの座を設け結界取次ぎによる布教を可能としているのに対して、集会所は取次ぎの座を設けず結界取次ぎ以外の布教活動を行うこととされている。
 輔教として3期12年を経過した者には、金光教学院特科への入学資格を与えられ、教師への道が開かれることになっている。
表紙へ戻る
TOPへ