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<け>憲法
 国の政治の基本を定めるもので、国民の権利や国家の統治に関する根本規定。
 憲法の源流は、1215年にイギリスで制定されたマグナ・カルタ。国王が勝手に国民に課税したり、理由なく国民を逮捕したりできないよう、国王の権限を縛るために定められました。
 日本国憲法には、国家は国民の生きる権利を確保するとか、国民の自由を侵害しないといった、「国家がやるべきことと、やってはいけないこと」が定められています。憲法は、いわば国民と国家の「約束」です。国民の三大義務(労働、納税、教育)の規定を見ると、国民を縛るためのもののように受け止められるかもしれませんが、そうした心情に便乗して、より国家の統治に利する方向へ改変していく動きが政権の側から進められていることは、看過できないことです。
 もとより日本における憲法の制定は、主権者明治天皇から臣下に下賜されたもので、敗戦を経てGHQの指導の下で民主化を要請され、その全面改正という形で国民主権を柱にした現行の憲法が制定されました。国民が主権者と定められて70年を越えた今、いたずらに憲法を不磨の大典と奉じているだけでは死文化させる恐れが大きいと感じます。名実ともに主権者の手で憲法をよりよいものへ、つまり自国の利害を超えて世界人類の共存に貢献する方向性を国家に付与するものへ、より鮮明化していくことが必要ではないでしょうか。