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<げ>元号
 特定の年代を表示する紀年法の一種。
年号。西暦が無限であるのに対し、これは有限である。東アジアにおいて帝王が時をも支配するという中国の制度に習い、各国で独自の元号が用いられてきたのが、すでに日本以外では廃止され西暦に一本化されています。
 日本では、最初の元号は大化とされ、大化元年は西暦645年に当たります。以後、天皇の交替ばかりでなく、瑞あるいは災異によっても改元(元号の更新)されてきました。もっとも年の表示には元号よりも、干支が長く使われました。江戸時代になって幕府が元号の決定施行に介入し、一般に広く通用することになりました。
 明治維新後は、天皇の治世と一致させる形で一つの元号を用いることと定めました。(一世一元の制) 厳密にいえば、敗戦後民主化した憲法の下で、天皇の治世という発想が成り立たなくなって、それでも元号法を制定し天皇の代変わりに伴って、平成、令和と継続を図ってきています。しかしながら、日本の歴史は世界との交流を抜きにして成り立つはずがなく、また時間の流れから ある年代を切り取って特殊と見る見方は、世界史人類史として理解を深めていく上で少なからず問題ありといわねばなりません。
 現行制度は、立年改元ではなく、即日改元であるため、同じ一年が異なる元号で分けられるのも不都合です。昭和から平成に変わって戦争がない時代を生きられたのを喜ぶ声があったりしますが、憲法9条の解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能とする解釈改憲その他防衛装備の拡充、今の沖縄における基地機能の強化等々、一連の戦争準備のたゆみない動きとその犠牲を忘れさせるような仕掛けとして改元が機能するのであるとすれば、これ以上の弊害はないと思えてなりません。
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