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<ば>バリアフリー
 障壁除去。
 生活の場でたとえば段差・階段など自由な移動を妨げる個所にはスロープ・リフト・エレベーターを設けるなどして、障がい者も等しく社会参加を果たせるようにすること。移動以外にも、自由なコミュニケ―ションを妨げる言語の壁に対して、点訳や手話あるいは多言語通訳を用意することも、バリアフリーの例としてあげられます。環境の整備と道具の活用がバリアフリーの柱であると言えますが、せっかく整備されてもたとえば点字ブロックの上に荷物を置いたりして、その効用を削ぐことが多々あり、個々人が当事者となって実践に参加するという心構えが欠かせません。
 生活のどの場面においても、多数者強者を標準とするかぎり、少数者弱者が不適応に陥り排除されてしまう、こうした差別がなくならないことは宿命的と言ってもよいくらいです。異なる者を抱え込んでいく包摂性を高めるために、多様な存在と触れ合う努力を怠らないことが大切です。同じ者同士では新しいものを生み出す力に恵まれがたいですが、異質な者との出会いからは創造力のアップが大いに期待できます。そのことが、人類の生き残る可能性を高めてくれると思われます。
 異質と見れば排除にかかり、差別を当然とする、人々の心の中に巣食っているバリアを取り除くことが最大の課題となっています。
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