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<は>初詣で
 正月にその年初めての神仏参拝を行うこと。
 年が改まるとともに、暮らしの上でも新たなスタートを切るという意味で、新年の幸先を祈る伝統行事として受け継がれてきています。初詣でに限らず新年最初の行動は、その年一年間の運勢に影響するとされ、特に祈りをこめるのが習いです。そもそも正月は歳神様をお迎えする神事でありましたので、晴れ着を着て普段とは違う食事をし、神のパワーを身に頂いて一年の無事を願うことに手抜かりのなきよう努め、家内でおこもりするのが本来でありました。
 各家庭から神棚も仏壇も姿を隠し、日常的に神々や先祖の霊と生活を共にする形が薄れてきた昨今、正月を迎えるにあたっても寺社へ参拝に出かけるパターンが普通となって久しく、もはや神仏は非日常的に特定の行事に際して、特定の聖域にあって善男善女に御利益を授ける存在と化しています。
 神仏との関係が、人間の都合で規定されるのは、無礼極まりないことです。すべては神仏の御都合によって生み出され取り運ばれているのですから。善男善女つまり信仰の厚い人だと認める基準も、神様の側から見てのそれでなくてはならないはず。したがって御利益も神様からご覧になって最善を授けてくださるのですから、その積りで。
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