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<お>大祓え
 神道の神事の一つ。
 神道の神事として<祓え>が日常的に行われていますが、特に6月の晦日に夏越の大祓、12月大晦日に年越しの大祓を行って、万人の身の罪穢を清め、新たに迎える時間を無事に過ごせるようにと祈願します。
 大祓えの仕方としては、人形(ひとがた)に息を吹きかけ、あるいは人形で身体の患部をこすり、その人形を水に流すとか、茅の輪をくぐるとか、邪気をはらうのに小豆・桃・塩を食したり撒いたり、いずれも穢れを祓うおまじないです。
 金光教では昭和58年まで「大祓詞」を日常的に奏上していたくらいで、神道の伝統にのってきましたので、今でも祓い清めを重要視する向きがあります。自身が知らず知らずのうちにも犯す罪がどれほどのものか、という自覚に立てば、その罰を免れるために大祓は願ってもないいい方法だとなるのでしょうが、それは人間の都合で考えて神様のご都合を考えていない点で無礼千万だということになります。神様は人間に罰を与えて苦しめることはなさいません。生きていることに伴う穢れをたえず身にまとっているお互いは、いのちの親様にお世話になってお礼をいう、この生き方を練習してご恩返しに努めることが神様のご都合に叶うことなのです。
 わが身の出来の悪さを思えば思うほど、自分の都合で「これはおかげである」「これはおかげでない」と切り分けて、神様のお心を踏みにじっていることの申し訳のなさが思われてきます。厄さえ払わず、役と心得て、しっかり自分育てをさせてもらうことが、何よりのご恩返しにつながっていくと信じます。
 
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