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<お>お祓(はらい)
 罪やケガレ、災厄などの不浄を心身から取り除くための神道の神事・禊(みそぎ)の呪術のこと。 大麻(おおぬさ)切幣(きりぬさ)などを用いて、人や土地、住まう環境から道具・設備までを清めます。「祓詞(はらえことば)」や<六根清浄>を唱えて言霊の力に頼むことも古くから行われてきました。
 中でも6月と12月にそれぞれ「夏越の祓」「年越しの祓」を行う伝統があり、これらを大祓(おおはらえ)といいます。心身のケガレを祓って心機一転、新たに迎える厳しい夏あるいは新年における生活の無事を祈願する行事で、人形(ひとがた)にケガレを移して水に流したり火で焼いたり、あるいは茅の輪をくぐったり、禊・祓いには様々な形が伝承され広く行われています。
 神道ではケガレに触れれば神性を犯すとされ、それが災厄の原因となると信じられています。日柄方角等の禁忌を守ることも含めて神々の領域を侵犯しないように人々の行動を規制してきました。しかるに金光教祖金光大神は、一切のきたないものを引き受けていのちを生み養う天地金乃神に出会われ、神の領域に触れてしか生きることができない人間が支障なくそのまま丸ごと神に抱き取られて生きる、新たな神人関係=救いの道を開かれました。
 金光教では人が神との関係において、便利な道具に使うばかりでいのちを成り立たせるかけがえのない存在として認めることなく、世話になりながら礼を言わず、無視あるいは敵視してかかる心の状態にあることを不幸の原因と見ます。したがって、災厄と出会ってもお祓いは無用で、ただ心を改めることに努めて、未来へ向けた助かりの機縁としていくよう願われています。
 

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